2 比率計測の誤差

    MIは、インターチェンジ技法を活用し、1:1の計測を行い、次の式の誤差を評価しています。

    re=(Raー1/Rb)/2

 

    例えば、ブリッジ6010Dで

    100Ω:100Ωの比率誤差仕様は、<0.04ppm

    RaとRbの逆数の差を2で割ります。この結果を、比率計測の誤差としています。

 

    比率計測の誤差補正

    MIブリッジでは比率計測の補正値は存在しません。つまり、仕様の計測精度をファームウェアで補正することはありません。経年で計測特性は変化しません。 

1:1 のインターチェンジ試験の結果例です。

10:1 のインターチェンジ試験の結果例です。

ところで、ブラジルの国研校正機関がMIブリッジとQHRシステムの出力で、精度比較を実施し、報告しました。

抵抗値は1Ω、10Ω、100Ω、1kΩ、10kΩ

 

(DC resistance comparison between a current comparator bridge and the quantum Hall system at Inmetro, Journal of Physics: Conference Series 733 (2016) 012074)

 

抵抗値(Ω) 相対差(μΩ / Ω)   ( = MIブリッジ校正値 - QHRシステム校正値)
 1 0.096
10 0.09
100 0.23
1k 0.02
10k -0.057

中国の国研校正機関でもMIブリッジ(6010B)とCCCの出力で、精度比較を実施し、報告しました。

(THE UNCERTAINTY EVALUATION OF AUTOMATIC DIRECT CURRENT COMPARATOR BRIDGE Shao Haiming National Institute of Metrology )

論文はMI社 ウェブサイトに掲載しています

MIからお客様へ

販売中の抵抗ブリッジの比率誤差を評価する方法の標準化は済んでおりません。計測器カタログの表記方法は、メーカ各々で異なっています。